MBRFのサステナビリティにおける取り組みを支える重要な柱の一つであり、責任あるバリューチェーンの構築、透明性の確保、そして国際的なサステナビリティのベストプラクティスとの整合性に対する当社のコミットメントを示しています。

本領域における重点課題は、森林破壊および自然生態系の転換防止に向けた取り組みと密接に連携しており、農畜産業のサプライチェーンが生物群系の保全や社会・環境リスクの低減に果たす戦略的な役割を認識した上で推進しています。

MBRFは、ブラジル国内外の事業運営を支える多様なサプライヤーおよび統合パートナーと連携しています。この戦略的かつ多様なネットワークは、強固な企業方針、明確な社会・環境基準、ならびにトレーサビリティおよびモニタリングの仕組みに基づいて管理されています。これにより、当社が調達する主要なコモディティが、責任ある調達に関する当社の方針およびコミットメントに適合していることを確保しています。

主要調達原材料

この取り組みにおいて、当社は社会・環境リスクの観点から重要性の高い原材料を重点対象としており、特に牛肉および穀物を中心に取り組みを推進しています。また、生産統合モデルを通じて、鶏肉および豚肉のサプライチェーンについても適切な管理を行っています。

これらの課題に対する体系的な取り組みとして、MBRFは「Verde+プログラム」を導入し、サプライチェーン全体における活動の指針としています。本プログラムは、以下の3つの柱で構成されています。

モニタリングおよび管理
テクノロジーや公的データベース、専門的な評価基準を活用し、社会・環境面での適合状況を確認します。

サプライヤーとの連携および支援
生産者の包摂的な成長を促進するとともに、法令遵守の推進や継続的な改善活動を支援します。

優良な取り組みの促進と評価
森林破壊や自然生態系の転換を伴わない持続可能なサプライチェーンへの移行を後押しします。

このような統合的なアプローチを通じて、当社はサプライチェーン全体におけるトレーサビリティ、コンプライアンスおよび透明性の確保に努めています。これにより、お客様、投資家をはじめとするステークホルダーからの信頼向上を図るとともに、生物多様性の保全、パートナー企業の持続的な発展、そして事業の持続的成長への貢献を目指しています。

トレーサビリティ目標の前倒し達成

2025年、当社は間接牛サプライヤーに対する社会・環境モニタリングを100%達成するとともに、直接サプライヤーについても引き続き100%のモニタリングを維持しました。

この実績は、アマゾン、セラードをはじめ、家畜調達を行うブラジル全土のすべての生物群系を対象としており、当社が公表しているコミットメントを全面的に達成したことを示しています。

また、アマゾン生物群系から調達される牛の購買プロセスについては、13年連続で独立第三者監査において100%の適合評価を獲得し、「畜産業に関する公開コミットメント」の基準および指針を完全に満たしています。

穀物

2024年、当社は穀物の直接および間接サプライヤーに対するモニタリングを100%達成し、当該サプライチェーンに関して公表していた目標を1年前倒しで実現しました。

コミットメント

期限 ステータス コミットメント 進捗状況
2025 完了 アマゾン、セラードおよびその他すべての生物群系において、直接・間接を含むサプライチェーン全体で、森林破壊を伴わない調達(牛肉・穀物)の実現を目指します。 当社は2025年末までに、間接牛肉サプライヤーに対する社会・環境モニタリングを100%達成するとともに、直接牛肉サプライヤーについても100%のモニタリングを維持しました。また、ブラジル全土のすべての生物群系において、穀物サプライチェーンの100%管理を継続しています。

Verde+プログラム(グリーン+)

MBRFは、Verde+プログラムを通じて、サプライチェーン全体の100%モニタリングを実現し、森林破壊や自然生態系の転換を伴わない調達の推進とともに、温室効果ガス排出量の削減に取り組んでいます。本プログラムは、「生産」「保全」「包摂」の3つの理念を基盤としており、サプライチェーンの持続可能な発展には、生産性の向上、環境保全、そしてサプライヤーの成長支援を一体的に推進することが不可欠であるとの考えに基づいています。

モニタリングおよびトレーサビリティ技術の導入

モニタリングおよびトレーサビリティ技術の導入

MBRFは、大規模な社会・環境モニタリングを実現するために、先進的な技術と革新的なアプローチを導入しています。具体的には、牛個体識別システム、衛星モニタリング、農場の地理情報管理(ジオリファレンス)、ブロックチェーン技術の活用に加え、リスクマップの開発を進めています。これらのリスクマップでは、天然植生、牧草地、地域コミュニティ、家畜飼養頭数の集中状況、森林破壊の発生状況などの公開データを統合・分析しています。これらのツールにより、森林破壊リスクの高い地域を特定するとともに、畜産サプライチェーンにおける重要な課題の一つである間接サプライヤーのモニタリング体制の強化を実現しています。

技術支援体制の構築と生産高度化の推進

技術支援体制の構築と生産高度化の推進

本プログラムでは、農場における生産性向上と社会・環境面での取り組みを推進するため、動物栄養管理、家畜管理、繁殖、環境コンプライアンス、土地権利の適正化などを含む幅広い分野でベストプラクティスの普及を進めています。また、生産の高度化に向けた技術導入を推進するとともに、ブラジル農牧研究公社(Embrapa)との連携により、低炭素牛肉およびカーボンニュートラル牛肉に関するプロトコルの導入を進めています。これらの取り組みを通じて、生産効率および生産性の向上を図るとともに、持続可能な畜産経営の実現に貢献しています。

サプライヤーとのエンゲージメント

MBRF Club

Verde+プログラムにおけるサプライヤーとの連携施策の中核として、MBRFは「MBRF Club」を設立しました。本プログラムは、長期的なパートナーシップの強化、継続的な改善の促進、そして当社のコミットメントに沿った生産および社会・環境面での取り組みの推進を目的としています。MBRF Clubを通じて、当社は技術的基準の導入、透明性の向上および責任ある事業運営を促進し、サステナビリティの向上に取り組むサプライヤーを積極的に評価・支援しています。

また、MBRF Clubの取り組みの一環として、「持続可能な実践ガイド」を策定しました。本ガイドは、サプライヤーがプログラムの基準に適合し、現場における取り組みをさらに発展させるための指針として機能するものであり、生産、技術および社会・環境に関する各種ガイドラインを体系的にまとめています。

ガイドには、環境コンプライアンス、農場管理、アニマルウェルフェア、トレーサビリティ、生産技術の高度化、継続的改善などの重要テーマが含まれており、MBRF Clubが掲げる教育的・協働的・包摂的な理念を支えています。これらの取り組みを通じて、より責任ある、透明性の高い、そして強靭なサプライチェーンの構築を推進しています。

地域に根ざした取り組み

MBRFの原産地管理およびトレーサビリティに関する取り組みは、リスクベースのアプローチに基づいて推進されています。当社は事業を展開する地域ごとの特性や、地域によって異なる社会・環境課題を考慮し、それぞれのリスクに応じた対応を行っています。特に、一部の地域では森林破壊や自然生態系の転換リスクが相対的に高いことから、リスクの重要度に応じた重点施策を展開しています。

MBRFは、「社会・環境リスク低減マップ」を活用し、地域ごとのリスク評価を実施しています。特に、森林破壊や生態系転換に関するリスクが高いとされるセラードおよびアマゾン生物群系を重点対象とし、モニタリング、管理、サプライヤーとのエンゲージメントならびに適正化支援に関する取り組みを集中的に推進しています。このようなアプローチにより、社会・環境面で脆弱性の高い地域に経営資源と施策を重点的に投入し、森林破壊の防止、リスク管理の強化、そしてサプライチェーン全体における社会・環境コンプライアンスの向上に取り組んでいます。

当社の取り組み

低炭素畜産の推進と生産者支援

Verde+プログラムやMBRF Clubをはじめとする各種施策を通じて、当社は持続可能な生産性向上に向けた取り組みを推進しています。具体的には、牧草地管理の高度化、農業・畜産統合システム(ILP)および農業・畜産・林業統合システム(ILPF)の導入、森林再生、さらには低炭素牛肉に関するプロトコルの普及を進めています。これらの取り組みは、技術支援、各種インセンティブの提供、およびESG基準に沿った金融メカニズムへのアクセス支援を組み合わせて実施しています。これにより、サプライチェーン全体の効率性、レジリエンスおよび環境性能の向上を図り、温室効果ガス排出量の少ない持続可能な生産モデルへの移行を支援しています。

 

持続可能な子牛生産プログラム

MBRFは、牛肉サプライチェーンの持続可能性を確保するため、社会・環境リスク管理およびトレーサビリティの観点から重要な子牛生産段階から取り組みを進めています。当社はIDHとの協働により、「持続可能な子牛生産プログラム」を支援しており、技術指導、環境および土地利用に関する適正化支援、ならびに個体単位でのトレーサビリティの推進に取り組んでいます。本プログラムは、森林破壊リスクの観点から戦略的かつ重点地域であるマットグロッソ州において展開されています。さらに2024年には、175万ユーロの投資を通じて取り組みを強化し、技術支援の拡充、持続可能な生産性向上施策の推進、影響評価・モニタリングの強化、および森林再生への支援を進めています。これにより、子牛生産段階(Tier 3)から持続可能な原産地に由来する子牛の供給基盤を強化し、より責任あるサプライチェーンの構築に貢献しています。

 

有機生産とトレーサビリティの確保

本プログラムは、認証取得済みの有機生産システムを基盤としており、家畜ごとの個体識別によるトレーサビリティ、天然牧草地を活用した放牧飼育、化学合成資材を使用しない生産方式、ならびに厳格な衛生管理を特徴としています。こうした取り組みにより、サプライチェーン全体における透明性を確保するとともに、国際的な基準への適合と高付加価値市場へのアクセスを実現しています。2024年には、本プログラムは前年比6%の成長を達成しました。認証取得面積は120万ヘクタールに達し、月間平均1,000トンを生産しています。また、個体単位でのトレーサビリティを確保しながら、国際市場への供給を行っています。

生産統合モデルによる社会・環境管理

鶏肉および豚肉の生産は、生産統合モデルに基づいて運営されています。このモデルでは、契約に基づく統合生産者が、継続的な技術支援を受けながら、当社が定める社会・環境基準に沿って生産活動を行っています。これにより、生産工程における取り組みの標準化、アニマルウェルフェアの推進、生産効率の向上を実現するとともに、当社の方針やサステナビリティに関する取り組みとの整合性を確保しています。

 

統合生産者における温室効果ガス排出削減と資源循環の推進

当社は、統合生産者と連携し、環境負荷の低減に向けた畜産生産体制への移行を推進しています。具体的には、再生可能エネルギーの活用、太陽光発電設備の導入、ならびに家畜排せつ物の処理・再利用の拡大に取り組んでいます。また、排せつ物をバイオガスやバイオ肥料へ転換することで、廃棄物の有効活用を促進し、循環型の生産モデルの構築を進めています。これらの取り組みにより、温室効果ガス排出量の削減、資源利用効率の向上、そして統合サプライチェーン全体の脱炭素化に貢献しています。

 

AI支援ツール「IAgo」

当社は、現場で活動する技術支援担当者(エクステンションスタッフ)をサポートするため、生成AIを活用した支援ツール「IAgo」を開発しました。IAgoは、飼養管理や家畜の健康管理に関する疑問への対応に加え、水資源管理、廃棄物管理、排せつ物の有効活用、エネルギー利用などに関する実践的な情報を提供し、資源の効率的かつ責任ある利用を促進します。また、マニュアル、各種規程、技術資料などで構成された知識データベースを活用し、必要な情報を迅速かつ的確に提供できるよう設計されています。これにより、現場における意思決定や課題解決を支援し、生産現場のさらなる効率化と持続可能性の向上に貢献しています。

穀物

原材料および穀物の持続可能な調達

当社は「穀物持続可能調達方針」に基づき、飼料として使用する穀物の100%についてモニタリングおよびトレーサビリティを実施し、社会・環境基準への適合を確保しています。この取り組みは、穀物サプライチェーンにおける森林破壊や自然生態系の転換に伴うリスクの低減に寄与するとともに、責任ある調達の推進を支える重要な施策となっています。

 

コモディティのモニタリングにおけるイノベーション

2024年、MBRFは、農場および穀物サプライヤーに対する社会・環境評価の効率化を目的として、バーチャルアシスタント「Yuri」を導入しました。これにより、サプライチェーンのモニタリングにおける迅速性の向上と大きな進展を実現しています。YuriはWhatsAppと連携しており、個人納税者番号(CPF)、法人登録番号(CNPJ)、農村環境登録(CAR)などの情報を活用して詳細な分析レポートを作成します。これにより、「穀物持続可能調達方針」に照らしたサプライヤーの取り組み状況を確認し、潜在的な不適合やリスクを特定することが可能となっています。こうしたデジタル技術の活用を通じて、サプライチェーンにおける透明性の向上とモニタリング体制の強化を推進しています。