MBRFは、天然資源の効率的かつ責任ある利用を基本としたマネジメントを推進し、事業活動の成長と環境保全の両立を図っています。また、グローバルな環境分野のベストプラクティスに沿った持続可能な事業運営の実現に努めています。

当社の取り組みは、環境負荷の低減にとどまらず、技術革新の推進を通じて、プロセスの効率化、資源利用の最適化および事業運営のレジリエンス強化を図ることを含んでいます。

その実現に向けて、当社はサステナビリティ方針および労働安全・衛生・環境(SSMA)方針、ISO 14001の要求事項ならびに社内のオペレーショナル・エクセレンスプログラムと整合した強固な環境マネジメントシステムを構築しています。また、技術、研究開発への継続的な投資を通じて、水資源、エネルギー、排水管理および森林資産に関する取り組みの高度化を推進し、持続可能な事業基盤の強化に努めています。

水資源管理

水は当社の事業活動における重要な資源であり、そのため、取水から処理、さらには水源への排水・還元に至るまで、すべての工程を対象とした厳格な水資源管理を実施しています。

当社は、生産プロセスの継続的な最適化を通じて、水使用量および水資源ロスの削減に取り組むとともに、水の再利用・再資源化を推進し、循環型社会の実現に貢献しています。

また、取水許可の上限および水質基準について継続的なモニタリングを実施し、法令順守と透明性の確保に努めています。さらに、自社の浄水設備を運営し、各国・地域の法規制および国際的な基準に適合した安全な水の供給を実現しています。加えて、計測技術や自動化システムの導入・拡充への投資を継続し、オペレーションの効率向上と水資源データの信頼性強化を推進しています。

ブラジルおよび海外の複数の事業拠点では、水の再利用が総使用量の重要な割合を占めており、KIZAD(アラブ首長国連邦)では再利用率100%を達成しています。また、取水した水の90%以上を適切な処理を施したうえで自然環境へ還元しています。

指標に基づく管理

MBRFでは、環境課題に対する分析の高度化を目的として、「環境持続可能性指数Environmental Sustainability Index (ESI)」の全社的な導入・展開を推進しています。ESIは、環境および法規制への対応における卓越性を支える重要な管理指標であり、生産拠点の取り組み状況を年間を通じて評価・モニタリングしています。

本指数では、各生産拠点の遵守状況およびパフォーマンスを、以下の3つの観点から評価しています。

40%

法的要求事項

40%

運営管理の取り組み

20%

廃棄物管理

水資源の安全保障

MBRFは、WWFが提供するWater Risk Filterなどの国際的に認知された評価手法を活用し、水不足リスクおよび水資源の利用可能性に関する継続的なモニタリングを実施しています。これにより、水資源リスクへの脆弱性が高い事業拠点の特定、水量・水質に関するリスクの把握、潜在的なリスク事象の早期察知、適切な投資判断および事業継続計画の策定を推進しています。

当社の大半の事業拠点は、事業を展開する各国・地域において重大な水資源リスクへの曝露が低いエリアに位置しています。一方で、水ストレスが高い地域については重点的な管理を行うとともに、すべての事業拠点において予防的なリスク管理計画を整備しています。

また、流域委員会や水資源に関する各種協議会・フォーラムへ積極的に参画し、水資源ガバナンスの強化と持続可能な水資源管理に関する公共政策の推進に貢献しています。

コミットメント

期限 ステータス コミットメント 進捗状況
2030 進行中 牛肉事業における事業活動での水使用量を20%削減 前年度において、水使用量削減目標は、2030年目標に向けた計画全体のうち2.2%の進捗を達成しました。プロセス管理およびモニタリング体制の強化を通じて、水量計の設置、高使用量設備の改善、水の再利用拡大を推進しています。
さらに、浄水設備および排水処理設備への投資を実施し、水資源の効率的な利用と環境負荷の低減に努めています。
2025 完了 鶏肉・豚肉事業における水使用原単位を13%削減する グローバルにおける水使用量削減目標を達成し、水の再利用の拡大がその主要な推進要因となりました。実績としては、グローバル全体で32%の成果を達成するとともに、ブラジルでは2024年の20%から2025年には40%へと大幅な改善が見られました。また、水使用量および水資源ロスの削減に向けたさまざまな取り組みも成果に寄与しており、これらは各事業拠点における強固な水資源管理体制によって支えられています。

流域協議会・
流域委員会への参画

MBRFは、水資源管理に関する重要な意思決定の場へ積極的に参画し、環境ガバナンスの強化および水資源管理に伴うリスクの低減に取り組んでいます。これらの協議会や委員会では、水源の保全や土壌保全の推進に加え、水利用に関する料金制度の高度化、関連資金の活用基準の改善、さらには透明性の向上と自主モニタリング体制の強化を重点課題として議論しています。当社は、こうした取り組みを通じて、水資源の持続可能な利用と地域社会との共生に貢献しています。 

排水管理

当社は、事業活動において発生する排水の100%を適切に処理したうえで環境へ排出しています。また、すべての自社事業拠点において環境当局から必要な許認可を取得しており、環境関連法令の遵守を徹底しています。これにより、事業活動に伴う環境負荷の低減を図るとともに、環境コンプライアンスの確保に努めています。

MBRFは、責任ある排水管理を重要な経営課題の一つと位置付け、事業活動で使用したすべての水を適切に処理したうえで、厳格な水質基準を満たした状態で環境へ還元しています。予防的な管理、先進技術の活用および継続的な改善を通じて、水資源の保全と事業を展開する地域社会の持続可能性向上に取り組んでいます。

当社では、すべての製造拠点に排水処理設備を設置し、物理化学的処理および生物学的処理を組み合わせた高度な処理プロセスにより、有機物の除去と環境基準への適合を実現しています。

また、取水および排水先となる河川の水質について定期的な分析・モニタリングを実施し、当社の事業活動が周辺環境へ影響を及ぼさないことを確認しています。

さらに、自社事業にとどまらず、サプライヤーに対しても排水管理に関する適切な取り組みの普及を推進しています。技術的な助言、現地訪問および研修機会の提供を通じて、環境負荷の未然防止と環境関連法令の遵守を支援しています。

当社は、インフラ設備の近代化・高度化に向けた投資を
継続しています。

その一例が、ウルグアイのコロニア工場に新たに導入された排水処理施設(ETE)です。同施設では、加圧浮上処理(DAF:Dissolved Air Flotation)や汚泥脱水システムなどの高効率技術を採用し、処理水の安全性および水質のさらなる向上を実現しています。また、当社では好気性処理技術の導入も着実に進めており、導入可能な事業拠点の85%で曝気池を活用した処理システムを採用しています。これにより、最終排出前の汚濁負荷を大幅に低減し、水環境への影響低減に貢献しています。

サプライチェーンにおける適正な取り組み

MBRFは、水資源および排水の適切な管理は自社の事業活動のみにとどまるものではないと考えています。そのため、こうした取り組みをサプライチェーン全体へと拡大し、水の効率的な利用や適正な排水管理に関する意識向上を推進しています。また、水源の汚染防止と農場の持続可能性確保を目的として、サプライヤーとの連携を強化し、環境負荷の低減に向けた取り組みを進めています。これにより、水資源の保全と地域社会の持続可能な発展に貢献するとともに、サプライチェーン全体における環境パフォーマンスの向上を目指しています。 

牛肉原料サプライヤー

MBRFクラブの「持続可能な実践ガイド」を通じて、当社は畜産農家の皆様が資源の無駄を削減し、水資源の保全および排水管理の強化につながる取り組みを実践できるよう支援しています。また、技術資料の提供や定期的な農場訪問を実施し、改善機会の把握と環境関連法令への適合状況の確認を行っています。これにより、生産現場における持続可能な管理体制の構築を推進しています。さらに、サプライチェーンにおける水資源リスクについても、森林破壊リスク低減マップと連携した地理空間分析を活用し、継続的なモニタリングを実施しています。これにより、潜在的な環境リスクの把握と適切な対策の推進に努めています。

契約養鶏・養豚農家

当社は、契約養鶏・養豚生産者と連携し、天然資源の環境管理を体系的に推進するとともに、サステナビリティに関するベストプラクティスおよび関連法令に沿った取り組みを実施しています。

生産者に対しては、水資源、土壌、廃棄物および排水の適切な管理をはじめとする天然資源の責任ある利用に関する技術的・環境的・運営上の指針を定めています。これらの要件の遵守は、契約生産プログラムの継続における重要な条件となっています。

また、本取り組みは、技術支援、モニタリングおよび継続的なフォローアップによって支えられており、環境リスクの低減、環境パフォーマンスの継続的な向上ならびにサプライチェーン全体の持続可能性強化に貢献しています。

生物多様性の保全と保護

MBRFは、重要な生態系の保全、森林破壊を伴わないサプライチェーンの構築、自然環境の回復および再生に取り組むとともに、自然との責任ある長期的かつ再生志向の関係性の構築を推進しています。これらの取り組みは、生態系の保護に対する当社のコミットメントを強化するとともに、生産活動、気候変動対策および生物多様性の保全の調和を図る持続可能な事業モデルの実現を支えています。

主な取り組み

天然資源の適正利用管理、森林火災の予防および森林資産の責任ある管理を推進しています。

Biomasへの参画を通じて、400万ヘクタールの自然環境の再生および20億本の植樹を目指しています。

保護地域(APP)および法定保全区域(Reserva Legal)の厳格な管理

エネルギー用バイオマスの生産に活用する2万7,600ヘクタールの森林資産を維持・管理しています。

アマゾン、セラードをはじめとするすべてのバイオームにおいて、森林破壊および自然生態系の転換ゼロを推進しています。

直接・間接を含むすべての牛肉および穀物サプライヤーに対するトレーサビリティを確立しています。

森林資産の責任ある管理を推進しています。

当社は、生物多様性の保全、環境関連法令の遵守および責任ある森林管理を基本方針として、広範な森林資産の管理を行っています。

2025年には、ブラジル国内において約2万7,620ヘクタールの森林資産を維持・管理しており、その大部分はバイオマス燃料の生産に活用されています。生産されたバイオマスは、当社の製造拠点における蒸気供給のエネルギー源として利用されています。

これらの森林資産は、ブラジル国内の8州にわたる191の農場(自社所有および賃借農場)に分散しており、保護区や生物多様性保全上重要な地域との位置関係を含め、継続的なモニタリングを実施しています。これにより、自然環境への影響低減と森林資源の持続可能な活用を推進しています。

自然環境の回復・保全に向けた取り組み

Verde+プログラム

本プログラムでは、1億レアルを超える投資を実施し、森林再生、環境適正化および持続可能な牧草地の生産性向上に取り組んでいます。

&Green Fundとの
パートナーシップ

2030年までに最大3,000万米ドルを投資し、在来植生の回復、持続可能な牧草地管理ならびに中小規模畜産農家の生産活動への参画促進を支援します。

Biomasプロジェクトへの参加

目標は、2,000億本の植樹を通じて最大400万ヘクタールの在来森林を再生するとともに、今後20年間で9億トンのCO₂排出回避に貢献することです。

森林破壊および自然生態系の転換防止に向けた取り組み

当社は、業界でもトップクラスの環境モニタリング体制を構築しており、衛星を活用した地理空間モニタリングシステムを通じて、サプライチェーンにおける森林破壊の防止に取り組んでいます。

また、アマゾンやセラードなどの環境的に重要なバイオームにおいて、牛肉および穀物の直接・間接サプライヤーの100%を対象としたモニタリングを実施しています。これらの取り組みは、2025年までにサプライチェーン全体のトレーサビリティを確立するという当社の公約に基づくものです。

さらに、ブロックチェーン技術を活用した「Conecta」、Visipecおよび環境デューデリジェンスシステムなどの先進的なツールを導入し、自動的な取引制限措置の実施、生産者の責任ある再登録および調達活動における透明性の向上を推進しています。

詳細については、「サプライチェーン管理」をご参照ください。